異業種転職の職務経歴書で「業界用語」を使うな

氷室レイ

「製品認証の適合証明業務を担当し、外部審査機関との折衝を行いました」

この一文を読んで、何の仕事か分かるだろうか。メーカーの人間なら一発で分かる。IT業界の人事には、一文字も伝わらない。

自分がこれを書いて応募したのはDX推進のポジションだった。書類選考で落ちた。当然だ。人事は「製品認証試験」が何なのか調べる義理がない。分からない書類は落とす。それだけだ。

異業種転職の職務経歴書は「翻訳」が全て

同業種への転職なら、業界用語がそのまま通じる。「製品認証試験」と書けば「ああ、あれね」で通る。

異業種転職はそうはいかない。読み手は自分の業界のことを何も知らない前提で書く必要がある。

翻訳とは、業界固有の業務を、どの業界でも通じるスキルに言い換えることだ。

| 翻訳前(業界用語) | 翻訳後(汎用スキル) | |---|---| | 製品認証試験の品質管理業務 | 規制対応の書類管理プロセスの設計・運用 | | 省庁との折衝 | 外部ステークホルダーとの調整・交渉 | | 適合証明の取得 | 法規制に基づくコンプライアンス対応 | | Excelマクロで申請書半自動化 | 業務プロセスの自動化(VBA)による工数削減 |

翻訳前はメーカーでしか通じない。翻訳後はどの業界の人事でも「なるほど、こういうスキルがある人か」と判断できる。

翻訳の3ステップ

ステップ1:業界用語を全部洗い出す

職務経歴書を通読して、同業界以外の人が読んで「?」となる単語に全部マーカーを引く。自分では当たり前だと思っている用語ほど危険だ。

ステップ2:「つまり何をしたか」を一般語で言い換える

「製品認証試験」→「製品が法規制を満たしているか確認する公的試験」。長くていい。正確に伝わることが優先。

ステップ3:数字を足す

翻訳しただけでは抽象的になりがち。数字を足して具体性を戻す。

規制対応の書類管理プロセスを再設計し、年間120件の申請処理において書類不備率を15%→2%に改善。

これならメーカーを知らない人事でも、「プロセス改善ができる人」と判断できる。

やってはいけない翻訳

1. 盛りすぎ翻訳

「書類を整理した」→「ナレッジマネジメントシステムを構築」。やっていないことを書くのは経歴詐称だ。

2. 抽象化しすぎ翻訳

「いろいろな業務を担当」→「幅広い業務経験」。具体性がゼロ。何も伝わらない。

3. 翻訳しないで注釈を付ける

「製品認証試験(※製品が法規制を満たすための公的試験)申請業務を担当」。注釈だらけの職務経歴書は読みにくい。本文で自然に説明する。

異業種転職で最初にやること

  1. 職務経歴書を開く
  2. 同業界以外の友達に読ませる
  3. 「分からない」と言われた箇所を全部翻訳する

友達がいなければ、AIに読ませてもいい。


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