転職の自己PRに「コミュニケーション能力」と書くな

氷室レイ

「コミュニケーション能力を活かして貢献したいと考えております」

この一文が書かれた自己PRを、人事は1日に何通読んでいると思うか。

答え: ほぼ全部に書いてある。

転職サイトの「自己PRの書き方」を検索すると、「コミュニケーション能力をアピールしましょう」と書いてある。全員がそれをコピーした結果、全員の自己PRが同じになっている。マッチングアプリの量産型プロフと同じ構造だ。

自称ワードが死ぬ理由

「コミュニケーション能力があります」は自称だ。自分で言っているだけで、根拠がない。

人事の翻訳はこうだ。「コミュニケーション能力があります」→「他に書くことがないのだな」。

以下の単語は全て同じ理由で死んでいる。

  • コミュニケーション能力 — 全員が書いている。差別化にならない
  • リーダーシップ — 自分で言うものではない。実績で示すもの
  • 問題解決力 — 抽象的すぎる。何の問題をどう解決したのか
  • 主体性 — 「指示待ちではない」と言いたいのは分かるが、根拠がない
  • 向上心 — 「成長したい」は全員そう。差別化にならない
  • 柔軟性 — 「何でもやります」と同義。器用貧乏に見える

自称の代わりに何を書くか

行動で見せる。これに尽きる。

Before:

コミュニケーション能力を活かし、社内外の関係者と連携しながら業務を推進してまいりました。

After:

製品認証試験の申請で認証機関の審査員から書類不備を指摘された際、指摘内容を体系化してチェックリストを作成。以後、同じ不備での差し戻しがゼロになり、他の品質管理担当者にも展開した。

後者は「コミュニケーション能力」を一度も使っていないが、省庁との折衝力と改善力が伝わる。しかも数字と具体的な結果がある。

自分が転職活動で最初に書いた自己PRは「誠実に業務に取り組み、チームワークを大切にしてきました」だった。3社連続で書類落ちした。

自己PRを「チェックリストを作って差し戻しゼロにした」に変えてから、通過率が変わった。

自称を消した後にスカスカになる場合

自称ワードを全部消すと、自己PRが空になる人がいる。それは自称以外のエピソードがないということであり、そこが本当の問題だ。

エピソードの見つけ方は3つ。

  1. 「面倒だった仕事」を思い出す — 面倒だった仕事には、あなたが工夫した形跡がある。その工夫が自己PRの素材になる
  2. 「数字が変わった仕事」を探す — 時間が短縮された、件数が増えた、エラーが減った。何でもいい
  3. 「後輩に教えた仕事」を振り返る — 人に教えられるということは、体系化できているということ

書いた後に自分でチェックできるか

自分の自己PRに自称ワードが入っているか、自分では気づきにくい。「コミュニケーション能力」は書いていなくても、「周囲と協力しながら」という同義の表現が入っていることがある。


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