公開
三菱マテリアルはやばい?将来性を有価証券報告書の数字で確かめる
執筆・編集:お祈り診断(AIを使用)
記事の作成と点検にAIを使用しています。実際の採用担当者の監修記事ではありません。
三菱マテリアルは、銅・金・銀・鉛・錫・パラジウムなどの製錬・販売、環境リサイクル関連、銅加工品・電子材料などの製造・販売を行う会社です。超硬製品(切削工具などに使う硬い合金の製品)の製造・販売や、地熱などの再生可能エネルギーの事業もあります。「やばい」は、悪い意味にも、すごいという意味にも使われる言葉です。
このページでは、有価証券報告書(2026年3月期)の数字から、三菱マテリアルの5年間の業績と、会社が挙げている課題を見ていきます。職場の雰囲気や部署ごとの忙しさは、有価証券報告書からは分かりません。
数字で見る三菱マテリアル
- 売上:2026年3月期の売上高は18,440.5億円で、前の期より6.0%減りました。全体で減った理由は、会社はまとめては書いていません
- 営業利益:605.0億円で63.0%増えました。会社は事業環境について、銅や金などの価格が上がった一方で、買鉱条件(TC/RC。鉱山会社から銅精鉱を買うときの条件)の悪化の影響があったとしています。為替は上半期が円高・下半期が円安、半導体関連の需要はAI関連を除き低調だったとしています。そのうえで抜本的構造改革を前倒しで進めたとし、「この結果」として全体の数字を挙げています。売上原価に含まれる棚卸資産(在庫)の評価損は、前の期が75.2億円で、この期は34.7億円の戻入(評価損の取り消し)でした。会社はこれを利益の理由に挙げていません
- 経常利益:975.6億円で62.0%増えました。会社は、為替差益(為替の変動で生じた利益)を計上したことに加え、持分法による投資利益(持分法適用会社の利益のうち持分に応じた分)と鉱山からの受取配当金が増えたことなどを挙げています
- 当期純利益:親会社株主に帰属する当期純利益は405.8億円で19.1%増えました。持分変動利益は、子会社や関連会社への持分の割合が変わったときに出る利益です。会社は、前の期に計上した持分変動利益76.5億円がなくなったことと、抜本的構造改革に伴う減損損失(資産の価値を引き下げた損失)の計上などにより、405.8億円(19.1%増)になったとしています。特別損失(経常利益には入らない項目)は414.9億円です。主な内訳は、減損損失303.4億円、特別退職金(通常の退職金とは別に払う退職金)26.1億円です。その他事業構造改革費用39.9億円は、小名浜製錬の使う見込みのない貯蔵品の評価損です
- 財務:自己資本比率(資産のうち、返す必要のないお金でまかなっている割合)は24.5%で、前の期の28.5%から下がりました。会社は財政状態の説明で、総資産が貸付け金地金の増加などで6,203億円(26.1%)、負債が預り金地金の増加などで5,606億円(33.2%)増えたとしています。純資産の増加は597億円(8.6%)で、その結果自己資本比率が下がったとしています。貸付け金地金と預り金地金は、会社の純金積立サービス「マイ・ゴールドパートナー」で貸し付けている金地金と預かっている金地金です
5年間の業績
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期純利益 | 自己資本比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 18,117.6億円 | 760.8億円 | 450.2億円 | 27.5% | 23,711人 |
| 2023年3月期 | 16,259.3億円 | 253.1億円 | 203.3億円 | 31.4% | 18,576人 |
| 2024年3月期 | 15,406.4億円 | 541.0億円 | 297.9億円 | 30.2% | 18,323人 |
| 2025年3月期 | 19,620.8億円 | 602.4億円 | 340.8億円 | 28.5% | 18,452人 |
| 2026年3月期 | 18,440.5億円 | 975.6億円 | 405.8億円 | 24.5% | 17,591人 |
グループ全体(連結)の値です。当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です。2025年3月期の値は、企業結合の暫定的な会計処理の確定を反映した後の金額です。数値の出典:有価証券報告書
表の範囲は年によって違います。有価証券報告書の沿革には、2022年3月に三菱アルミニウムのアルミ圧延・押出事業を昭和アルミニウム缶(現アルテミラ)に承継させ、ユニバーサル製缶の全株式を譲渡したことが書かれています。2022年4月にはセメント事業とその関連事業などをUBE三菱セメントに承継させ、2023年3月には多結晶シリコン事業を譲渡しました。2024年12月にはエイチ・シー・スタルク・ホールディング社を連結子会社にしました(2025年3月期から)。従業員数が2023年3月期に5,135人減った(計算)理由を、有価証券報告書はまとめては書いていません。2026年3月期に861人減った(計算)ことは、通常の人員変動に加え、抜本的構造改革の一環の希望退職などによるとしています。希望退職の人数は書かれていません。
事業ごとの状況
事業は4つの報告セグメント(区分)と「その他の事業」です。主な製品は、金属事業が非鉄金属製錬と家電リサイクル、高機能製品が銅加工品と電子材料、加工事業が超硬製品、再生可能エネルギー事業が地熱・水力発電などです。その他の事業は、セメント事業、エンジニアリングなどです。売上高は外部の顧客への売上で、前期比は計算です。区分の利益は経常利益ベースで、減損損失は入っていません。
| 事業 | 売上高 | 前期比(計算) | セグメント利益(経常利益ベース) | 前の期 |
|---|---|---|---|---|
| 金属事業 | 9,378.1億円 | 22.0%減 | 570.7億円 | 411.7億円 |
| 高機能製品 | 5,679.7億円 | 15.5%増 | 200.9億円 | 31.6億円 |
| 加工事業 | 2,305.9億円 | 59.9%増 | 149.8億円 | 85.4億円 |
| 再生可能エネルギー事業 | 62.0億円 | 25.6%減 | 8.0億円 | 26.1億円 |
| その他の事業 | 1,014.7億円 | 12.0%減 | 148.6億円 | 185.5億円 |
| 調整額 | ― | ― | −102.4億円 | −137.9億円 |
| 合計 | 18,440.5億円 | 6.0%減 | 975.6億円 | 602.4億円 |
調整額は、セグメント間の取引の消去と、どの区分にも配分していない全社費用です。会社が示す事業ごとの増減率は、セグメント間の売上を含む売上高によるもので、表の前期比とは違います。外部への売上の50.9%は金属事業です(計算)。
- 金属事業:売上高は、金の生産量の減少などの影響で減ったとしています。営業利益は、買鉱条件(TC/RC)の悪化があったものの、銅や金などの価格が上がったことなどから増えたとしています。経常利益は、鉱山からの受取配当金の増加と持分法による投資損益の改善などで増えたとしています
- 高機能製品:会社は、銅加工事業で販売数量が増え、銅価格上昇の影響もあったとしています。電子材料事業では、半導体関連製品の一部の需要は緩やかに回復しているものの、化成品とシール製品の販売が減ったとしています。「以上により」売上高・営業利益・経常利益は増えたとしていて、売上と利益の理由を分けて書いていません
- 加工事業:売上高は、2024年12月にドイツでタングステン事業を営むエイチ・シー・スタルク・ホールディング社を連結子会社化したことで増えたとしています。営業利益と経常利益は、値上げ効果や超硬製品・タングステン製品の販売増加などで増えたとしています
- 再生可能エネルギー事業:2025年4月に発生した落雷で安比地熱発電所が操業を停止していたことから、売上高と営業利益が減ったとしています。経常利益は、これに加えて持分法による投資利益が減ったことから減ったとしています
- その他の事業:合算で売上高と営業利益が減り、これに加えて持分法による投資利益が減ったことから経常利益が減ったとしています。セメント事業は持分法適用関連会社(議決権の50%)のUBE三菱セメントが営むため、売上高には入らず、利益に持分の分(その他の事業の持分法による投資利益は104.7億円)が入ります
減損損失303.4億円のうち金属事業は203.6億円、高機能製品は74.5億円です(前の期は合計134.9億円)。金属事業の分のうち202.4億円は、子会社の小名浜製錬の分です。会社は、海外の製錬会社との競争が激しくなる中でTC/RCが大幅に悪化し、今後の見通しも不透明だとしています。同社は一部の工程を停止するなどのコスト削減をしてきました。それでも会社は、抜本的構造改革の一環として、2027年3月末を目途に小名浜製錬所の銅精鉱の処理と関連する製錬設備の稼働を停止すると決めたとしています。小名浜製錬は2026年3月末時点(関係会社の状況)で債務超過(負債が資産を上回る状態)で、その額は162.8億円です。
会社が挙げている課題と中期経営戦略
- 事業環境の見通し:会社は、米国の政策動向や中東情勢などで世界経済の不透明感が高まるとしています。自社の事業環境も、為替の変動、TC/RCの低下、自動車・半導体関連の需要動向の変化など厳しい環境が続くと見込んでいます
- 中期経営戦略:2026〜2028年度(2027年3月期〜2029年3月期)の基本方針は「資源循環ビジネスで未来を創る企業へ」です。重要施策は、資源循環ビジネスのグローバル展開、二次原料製錬の拡大とタングステンリサイクル率の向上、銅精鉱の他社との共同買鉱の3つです。二次原料はE-Scrap(電子機器のスクラップ)などのリサイクル原料で、一次原料の銅精鉱と対になる言葉です。目標は、E-Scrap処理量を2035年度までに倍増、タングステン製造拠点のリサイクル原料比率を2030年度までに100%です。銅精鉱の処理量は2025年度比60〜70%に減らす方向で検討するとしています
- 財務目標:抜本的構造改革の効果などを織り込んだ目標です。2028年度(2029年3月期)にROE(自己資本に対する当期純利益の割合)8%以上、ROIC(事業に投じたお金に対する利益の割合)7%以上などです。長期(2029年度以降)は、二次原料製錬の収益貢献の本格化などによりROE10%以上を目指すとしています。2026年3月期の自己資本利益率(ROE)は5.7%です。将来に関する事項は、提出日(2026年6月22日)現在の判断だとしています
- 区分の変更:2026年4月1日付の組織再編で、報告セグメントを5つの新しい区分(マテリアル領域、プロダクト領域など)に変えることにしました。このページの数字は変更前の区分です
- 鉱山:チリの関連会社マントベルデ社(議決権30%)の銅鉱山で処理能力の拡張計画を進め、低いTC/RCによる減益の影響を和らげるとしています。2026年3月末時点で、三菱マテリアルは同社に長期344.8億円・短期10.4億円を貸し付け、銀行借入215.8億円に債務保証をしています
- 期末の後の出来事:2026年4月に退職一時金制度の一部を確定拠出年金制度に移行し、2027年3月期に特別利益110.3億円を計上する見込みとしています
- リスク:事業等のリスクは、サステナビリティ課題に沿った7項目で、発生可能性と影響度つきです。影響度が「大」なのは、資源循環の推進、高付加価値製品・ソリューション提供、SCQ(安全・健康、法令遵守・環境保全、品質)課題への対応強化の3つです。会社は、この項目が全てのリスクを網羅するものではないとしています。金属の価格や為替の変動は、この節の項目には無く、経営方針の事業環境の見通しに出てきます
働く人に関わる数字
平均年間給与から管理職に占める女性の割合までは、子会社を含まない三菱マテリアルだけ(単体)の値です(2026年3月期)。
- 平均年間給与:732.9万円(賞与と、残業代などの基準外賃金を含む)。前の期より2.6%増えています。増えた理由は書かれていません
- 平均年齢・勤続年数:43.0歳、19.0年(従業員5,084人)
- 男性の育児休業取得率:81.5%(法律で定める「育児休業等の取得割合」で、育児目的の休暇は含まない数え方)
- 管理職に占める女性の割合:4.7%。2025年度末(2026年3月末)の目標5.0%を下回りましたが、前の年度からの上昇幅0.8ポイントは過去最大だとしています
- エンゲージメント:会社の主要KPIのエンゲージメントサーベイ(全設問の肯定的回答率)は74.4%で、2025年度末の目標75%を下回りました。「組織」の項目は前年度比3.7ポイント低下し、会社は2025年度上期に実行した抜本的構造改革などの影響が大きいとしています。調査の対象の範囲は書かれていません
- 初任給:2025年4月入社(全社採用)の実績で、学部卒は月給282,000円、修士了305,000円、博士了317,500円です。いずれも一律のライフプラン手当15,000円を含みます
- 休日:年間126日(本社の例で、勤務する事業所によって異なります)
- 募集:2027年3月までに大学・大学院を卒業・修了見込みの人(高等専門学校の専攻科も可)が対象で、技術系と事務系の募集です。採用予定人数は採用ページに載っていません
有価証券報告書では分からないこと
有価証券報告書で分かるのは、主に会社全体の数字です。部署ごとの忙しさ、転勤の多さ、職場の雰囲気は分かりません。有給休暇の取得率や残業時間、離職率の数字も、有価証券報告書と採用ページには載っていません。小名浜製錬所の停止や区分の変更が、配属や処遇にどう関わるかも分かりません。説明会などで、関心のある事業の人に直接聞いてみてください。
志望動機で「将来性」を書くときは
「銅やリサイクルの需要は伸びそうだから」だけでは、ほかの非鉄金属メーカーにも言える理由になります。製錬・リサイクル、銅加工品や電子材料、超硬製品のどこで、どの職種で何をしたいかまでつなげると、三菱マテリアルを選ぶ理由になります。
つなぎ方はBtoBメーカーの志望動機で説明しています。三菱マテリアルの志望動機を書いたら、お祈り診断で確かめられます。このページの有価証券報告書の要点を応募先の資料として添え、採用側の5つの視点で、根拠が足りない所を見ます。
このページの数字は、2026年10月3日時点で最新の有価証券報告書(2026年3月期)から取りました。億円への換算と、(計算)と書いた値は、有価証券報告書の数字から計算しました。初任給と募集の内容などは公式の採用ページによります(2026年10月3日に確認)。投資の判断材料として書いたものではありません。