公開
ニプロの将来性は?業績と会社の課題を有価証券報告書で確かめる
執筆・編集:お祈り診断(AIを使用)
記事の作成と点検にAIを使用しています。実際の採用担当者の監修記事ではありません。
ニプロは、注射針や輸液の製品、透析に使うダイアライザ(血液から老廃物などを取り除く器具)などの医療機器と、医薬品、薬を入れるガラスの容器などを作る会社です。1954年に、アンプル(薬を密封するガラスの容器)用のガラス管などを売る会社として始まりました。
このページでは、有価証券報告書(2026年3月期)で確かめられる数字から、ニプロの今の姿と、会社自身が挙げている課題と中期経営計画を見ていきます。職場の雰囲気や部署ごとの忙しさは、有価証券報告書からは分かりません。
数字で見るニプロ
- 売上:2026年3月期の売上高は6,605.4億円で、前の期より2.5%増えました。会社は、国内では「販売価格の適正化」と注射剤などの出荷数量の増加を、海外では重点市場での積極的な販売促進などを挙げています
- 本業の利益:営業利益は376.2億円(41.5%増)です。会社は、売上高の増加に加え、原材料費の低減や価格転嫁(費用の上昇分を価格に反映すること)を含む適正な価格での販売が進み、売上総利益(売上高から売上原価を引いたもうけ)が改善したとしています
- 経常利益・当期純利益:経常利益は197.2億円(82.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は135.0億円(164.1%増)です
- 海外の売上:海外売上高の割合は51.4%です
- 財務:自己資本比率(資産のうち、返す必要のないお金でまかなっている割合)は22.6%です
5年間の業績
| 決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期純利益 | 自己資本比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 4,947.9億円 | 275.8億円 | 134.6億円 | 19.9% | 36,259人 |
| 2023年3月期 | 5,452.0億円 | 153.5億円 | 45.7億円 | 20.1% | 38,770人 |
| 2024年3月期 | 5,867.9億円 | 195.1億円 | 111.1億円 | 21.0% | 38,117人 |
| 2025年3月期 | 6,445.9億円 | 108.2億円 | 51.1億円 | 21.6% | 39,168人 |
| 2026年3月期 | 6,605.4億円 | 197.2億円 | 135.0億円 | 22.6% | 38,593人 |
グループ全体(連結)の値です。当期純利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です。数値の出典:有価証券報告書
売上高は表の5年間、毎年増え、2026年3月期は4年前(2022年3月期)の約1.33倍です(計算)。一方、経常利益と当期純利益は、2023年3月期と2025年3月期に減り、2024年3月期と2026年3月期に増えています。2026年3月期の経常利益197.2億円は、4年前(2022年3月期)の275.8億円より少ない額です。減った年の理由は、今回の有価証券報告書には書かれていません。
2026年3月期の経常利益は89.0億円増えました。営業利益が110.3億円増えた一方、本業以外の費用(営業外費用)は231.9億円で8.8%増えています。会社は、支払利息(97.7億円)は増えたものの、為替差損(41.9億円)は減ったとしています。
当期純利益が増えた理由に、会社は「段階取得に係る差益」51.1億円と、再生医療事業の研究・製造の拠点の固定資産売却益(設備などを売って得た利益)を挙げています。どちらも、その期だけの特別な利益(特別利益)です。段階取得に係る差益は、一部を持っていた会社を子会社にしたときに、持っていた株式を時価で評価し直して生じた利益です。子会社にしたのは、米国でバスキュラー(血管)の事業を広げるために、2024年に共同出資で作った会社です。会社は2025年12月に残りの株式(61.01%)を買い、100%の子会社にしました。この会社を期の初めから子会社にしていたと仮定すると、この期の営業利益は75.7億円少なかったという概算も載せています(監査を受けていない数字です)。
事業ごとの状況
売上高はグループ外の顧客への売上、利益は営業利益の段階の数字です(2026年3月期)。
- 医療関連(注射・輸液、人工臓器、透析などの医療機器の製造・販売と、ジェネリックなどの医薬品の販売):売上高5,236.2億円(3.7%増)で全体の79.3%です。国内のメディカル営業部門では、注射針や輸液の価格適正化に取り組み、透析のヘモダイアフィルタ(血液透析濾過器)の一部品目で出荷制限が解除され、部門の売上高が増えたとしています。海外では、アメリカで大手の透析事業者との提携、中国で集中購買制度(まとめて入札で買う仕組み)での落札により、ダイアライザなどの販売が増えたとしています。利益は523.4億円(12.2%増)です
- 医薬関連(製薬会社から受託する医薬品の製造など。国内の子会社が注射剤・経口剤(飲み薬)・キット製剤(注射器などと一体にした薬)を製造販売):売上高811.1億円(2.5%増)で12.2%です。選定療養制度(先発医薬品を選んだ患者さんが、後発医薬品との価格差の一部を負担する制度)で、長期収載品(後発医薬品が出ている先発医薬品)の一部は受注数量が減ったとしています。一方、抗がん剤の増加と新しい受託品の獲得で、売上は前の期を上回ったとしています。利益は121.0億円(13.8%増)で、会社は、シリンジ製剤(薬をあらかじめ注射器に詰めた製剤)の受託や、抗がん剤と新しい受託品の出荷が増えたことが大きく寄与したとしています。利益には、グループのほかの事業への売上605.9億円の分も入っています
- ファーマパッケージング(医療用のガラス。薬の瓶(管瓶)やアンプル用のガラス、キット製剤用の容器など):売上高546.9億円(7.7%減)で8.3%。損失は15.9億円で、前の期の2.7億円から広がりました。国内は増収増益でしたが、海外は、主に欧米の市場での医薬用ガラス容器の在庫過多の影響で減収減益だったとしています。会社は、工場の閉鎖や生産の集約、人員の最適化などで生産体制の改革を進め、製造原価を下げたとしています
- その他(不動産の賃貸など):売上高11.3億円、利益9.4億円
利益には、このほか、どの事業にも入らない本社の費用などの調整額−261.6億円があります。売上高・利益とも、億円に直した端数のため、足すと全体と0.1億円ずれます。
採用サイトは再生医療を加えた4事業と紹介していますが、有価証券報告書の事業の区分は3つ(とその他)で、再生医療だけの売上や利益は載っていません。再生医療の製造・研究の設備は、医療関連の区分に入っています。
借入金と自己資本比率
- 自己資本比率:表の5年間、19.9%から22.6%へ毎年少しずつ上がっています。2026年3月末の資産合計12,132.9億円のうち、負債は8,785.2億円(72.4%、計算)です。残りの5.0%(計算)は、子会社の純資産のうちニプロ以外の株主の持ち分(非支配株主持分)で、自己資本比率には入りません
- 借入金と社債:2026年3月末の時点で、短期と長期の借入金は合わせて4,654.1億円、社債は1,342.8億円です(計算)
- 会社の説明:設備投資などには金融機関からの長期の借入を基本とし、複数の金融機関とコミットメントライン契約(決めた枠の中で必要なときに借りられる契約)を結んでいるとしています
- 借入の条件:借入の一部には、純資産の水準や格付けなどを保ち、損失が2期続かないようにする条件(財務制限条項)が付いています。会社は、条件に反して期限より前に返済を求められると、資金繰りなどに影響する可能性があるとしています
会社が挙げている課題と中期経営計画
会社は2025年5月に、2025〜2027年度(2026年3月期〜2028年3月期)の中期経営計画を作りました。将来に関する記述は、2026年3月末時点の会社の判断だとしています。目標と、1年目の2026年3月期の実績は次のとおりです。
- 売上高成長率:年平均6%以上(2026年3月期は2.5%増)
- 営業利益率(売上高に対する営業利益の割合):7%以上(5.7%、計算)
- ROE(株主のお金を元手に、どれだけ利益を上げたかの割合):10%以上(5.1%)
- 純有利子負債/EBITDA倍率(手元の現金を差し引いた借金が、1年に稼ぐお金の何年分かを見る指標):4倍未満(会社の計算のしかたと値は書かれていません)
会社が挙げる課題は、次の3つです。
- 収益性の強化:高付加価値品へのシフト、開発力の強化による「ニューノーマル製品」(次世代の医療に貢献する領域の製品)の投入、コストの最適化で、「規模から質への転換」を進める
- 成長投資と資本効率の両立:研究開発と設備投資を続けながら「選択と集中」を徹底し、資本コスト(資金の出し手が求める利回り)を意識して投資を判断するとしています。2026年3月期の全社の研究開発費は268.2億円(23.8%増、計算)、設備投資は640.8億円でした
- 持続的成長を支える基盤の整備:中東情勢の不安定化で物流や原材料の調達への影響が懸念されるなか、安定供給の確保を最重要課題とするとしています。営業キャッシュ・フロー(本業で得たお金)を最大化し、株主還元と財務健全性の向上につなげるとしています
会社は「事業等のリスク」で、国内の診療報酬や薬価、保険医療材料の償還価格(医療材料の公定価格)の引き下げや世界的な医療費の抑制策を背景に、企業間の競争が激しくなり、販売価格が想定を超えて下がるリスクを挙げています。
働く人に関わる数字
初任給と募集を除き、この節の数字は子会社を含まないニプロだけ(単体)の値です。単体の従業員4,714人は、連結の38,593人の12.2%です(計算)。
- 平均年間給与:681.4万円(賞与と、残業代などの基準外賃金を含む)。前の期より3.4%増えています
- 平均年齢・勤続年数:40.8歳、13.3年
- 男性の育児休業取得率:72.0%(2026年3月期。配偶者の出産のための特別休暇だけを取った人は数えない方法)
- 管理職に占める女性の割合:8.7%(2026年4月1日時点)で、2027年度(2028年3月期)に10.0%が目標です
- 従業員ワークエンゲージメント:仕事への前向きな心の状態を偏差値で表したもので、2025年度(2026年3月期)は49.3です。2027年度の目標は55.0で、この調査の製造業全体の平均は50.0です
- 初任給:学士265,500円、修士280,500円、高専(本科)243,500円です。グローバルコースで関西勤務の場合の額で、採用は原則グローバルコースのみです。何年度の額かは書かれていません
- 募集:職種別採用で、営業(医師などに製品の情報を伝えるMR、医療装置の設置・保守を担うME/SE、国際営業、医療用硝子営業)、研究・開発、管理、生産の各部門の職種があります。採用人数は載っていません。採用サイトには2027年卒と2028年卒のエントリーの入口があります(公式の採用ページ、2026年9月30日確認)
有価証券報告書では分からないこと
有価証券報告書で分かるのは、主に会社全体の数字です。部署ごとの忙しさ、転勤の多さ、職場の雰囲気は分かりません。有給休暇の取得率や離職率、残業の時間も、今回の有価証券報告書には載っていません。採用FAQによると、会社が窓口になるOB・OG訪問は行っていません(OB・OGに直接連絡して話を聞くのは差し支えないとしています)。説明会や選考の場、知り合いのOB・OGを通じて、関心のある職種の人に直接聞いてみてください。
志望動機で「将来性」を書くときは
「医療はなくならないから」だけでは、ほかの医療機器メーカーにも言える理由になります。医療機器・医薬品・医療用のガラスのうち、どの事業のどんな製品に関心があり、どの職種で何をしたいかまでつなげると、ニプロを選ぶ理由になります。
ほかの医療機器メーカーとの比較は医療機器メーカー7社の一覧、つなぎ方はBtoBメーカーの志望動機で説明しています。ニプロの志望動機を書いたら、お祈り診断で確かめられます。このページの有価証券報告書の要点を応募先の資料として添え、採用側の5つの視点で、根拠が足りない所を見ます。
このページの数字は、2026年9月30日時点で最新の有価証券報告書(2026年3月期)から取りました。億円への換算と、(計算)と書いた値は、有価証券報告書の数字から計算しました。初任給と募集の内容などは公式の採用ページによります(2026年9月30日に確認)。投資の判断材料として書いたものではありません。