公開
シスメックスはやばい?将来性を有価証券報告書の数字で確かめる
執筆・編集:お祈り診断(AIを使用)
記事の作成と点検にAIを使用しています。実際の採用担当者の監修記事ではありません。
シスメックスは、血液や尿などの検体を調べる検査(検体検査)の機器と、その検査に使う試薬を作る会社です。1968年に血球計数装置(血液中の血球を数える装置)の販売会社として始まりました。「やばい」は、悪い意味にも、すごいという意味にも使われる言葉です。
このページでは、有価証券報告書(2026年3月期)で確かめられる数字から、シスメックスの今の姿と、会社自身が挙げている課題を見ていきます。職場の雰囲気や部署ごとの忙しさは、有価証券報告書からは分かりません。
数字で見るシスメックス
- 業績:2026年3月期の売上高は5,000.1億円で、前の期より1.7%減りました。営業利益は40.8%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は33.9%減です
- 売上が減った理由:顧客の所在地で分けると、米州・EMEA(欧州・中東・アフリカ)・AP(アジア・パシフィック)では増えました。一方、日本(13.5%減)と、医療費抑制政策の影響を受けた中国(24.2%減)で大きく減ったと、会社は説明しています
- 利益が減った理由:会社は、減収に加え、売上原価率(売上に占める原価の割合)の上昇、販売費及び一般管理費(販売や管理の費用)の増加、減損損失(資産の価値を引き下げた損失)の計上を挙げています
- 売上の中身:売上高の61.6%は診断薬(検査に使う試薬)です。海外の売上は全体の88.3%です
- 財務:親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率にあたるもの。資産のうち、返す必要のないお金でまかなっている割合)は71.37%です
5年間の業績
| 決算期 | 売上高 | 税引前利益 | 当期利益 | 親会社所有者帰属持分比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 3,637.8億円 | 643.5億円 | 440.9億円 | 72.01% | 8,771人 |
| 2023年3月期 | 4,105.0億円 | 687.1億円 | 457.8億円 | 73.00% | 9,500人 |
| 2024年3月期 | 4,615.1億円 | 746.0億円 | 496.4億円 | 69.81% | 10,042人 |
| 2025年3月期 | 5,086.4億円 | 792.2億円 | 536.7億円 | 69.71% | 10,533人 |
| 2026年3月期 | 5,000.1億円 | 490.5億円 | 354.6億円 | 71.37% | 10,861人 |
グループ全体(連結)の値で、国際会計基準(IFRS)です。当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。数値の出典:有価証券報告書
2026年3月期の売上高は4年前(2022年3月期)の約1.37倍(計算)ですが、税引前利益と当期利益は4年前を下回りました。
この期の営業利益は518.3億円で、売上高に対する割合は10.4%(前の期より6.8ポイント低下)でした。研究開発費は、短中期の業績に関わらないテーマの見直しや効率化などで7.3%減っています。
減損損失115.6億円(前の期は32.1億円)のうち112.7億円は「のれん」の分で、主に子会社3社のものです。のれんは、会社を買うときに払った額のうち、その会社の正味の資産の価値を上回った分です。会社は、計画に対する進み具合や事業環境の変化などをふまえて事業計画を見直し、減損損失を計上したとしています。
地域ごとの売上と利益
事業は地域ごとの区分(セグメント)に分かれ、本社統括は製品の開発・製造と、日本・東アジアなどでの販売を受け持ちます。2026年3月期の売上高(外部の顧客への売上)と営業利益は次のとおりです。
- 本社統括:売上高875.6億円(6.8%減)、営業利益177.7億円(69.9%減)
- 米州統括:売上高1,304.6億円(6.1%増)、営業利益85.1億円(26.1%増)
- EMEA統括:売上高1,521.1億円(12.1%増)、営業利益99.0億円(6.4%減)
- 中国統括:売上高893.0億円(24.2%減)、営業利益93.4億円(12.2%減)
- AP統括:売上高405.8億円(6.1%増)、営業利益37.1億円(3.6%増)
本社統括では、日本でヘマトロジー分野(血液中の血球を調べる検査)と血液凝固検査分野(血液の固まりやすさを調べる検査)の機器・試薬が減ったとしています。利益については、減収に加え、売上原価率の悪化と販売費及び一般管理費の増加を挙げています。なお、本社統括の営業利益には、ほかの統括会社に売った分(セグメント間の取引、1,304.5億円)の利益も入っています。減損損失のうち115.2億円も、本社統括の分です。
中国統括では、医療費抑制政策による厳しい環境で、ヘマトロジー分野の機器・試薬などが大きく減ったとしています。会社は、中国の医療費を抑える政策の影響が、すでに表れているとも書いています。
会社が挙げている課題と中期経営計画
会社は「長期経営戦略2033」(2033年度=2034年3月期まで)で、検査・診断の事業(ダイアグノスティクス事業)に加え、手術支援ロボットなどの治療の領域にも挑戦するとしています。2026年4月に始めた中期経営計画(2027年3月期〜2029年3月期)では、次の4つを優先するとしています。
- ダイアグノスティクス事業の競争力強化:AIなどを取り入れた新製品を世界に出し、新興国では現地に合う製品と安定供給の体制を強める
- 医療DXとデータ活用の推進:顧客の検査データとAIで、独自の医療DX(デジタル技術による医療の変革)のサービスを出す
- バリューチェーン改革による収益性向上:「安定的な収益源である診断薬」で、開発から販売までの流れ全体を変える
- 財務・資本戦略の再設計:資本効率(使うお金に対して利益を上げる効率)の向上を図る
2026年4月には、日本電子の生化学検査事業を引き継ぐ新会社の株式を取得して子会社にし、シスメックスBioMajestyとして事業を始めました。
会社は、2029年3月期に売上高6,000億円、営業利益1,000億円を目指すとしています。会社が指標にしている新興国・開発途上国の連結売上高は、2025年度(2026年3月期)に1,574億円で、前の年度の1,795億円から減りました。2027年3月期の予想は売上高5,350億円、営業利益580億円で、様々な要因で変わる可能性があるとしています。
出資先のメディカロイド製の手術支援ロボットを使った症例数は、2025年度(2026年3月期)に7,857件と、前の年度の5,209件から増えました。一方、同じ期のメディカルロボット事業は、保守サービスの売上が増え、機器の売上が減ったとしています。
働く人に関わる数字
平均年間給与から管理職に占める女性の割合までは、子会社を含まないシスメックスだけ(単体)の値です。
- 平均年間給与:883.5万円(賞与や残業代などを含む)。前の期より3.3%減っています
- 平均年齢・勤続年数:42.4歳、12.8年(従業員3,011人)
- 男性の育児休業等の取得率:80.4%(管理職に占める女性の割合は11.3%)
- 従業員エンゲージメント:会社の人的資本の指標では、2025年度(2026年3月期)に74%で、前の年度の76%から下がりました。この指標の対象の範囲は書かれていません
- 働き方:職務・役割・成果で処遇を決めるジョブ型人事制度をグループ全体で導入し、全従業員を対象に、業務内容などに応じて働く場所や時間を選べる働き方を取り入れたとしています
- 初任給:新卒の基本的な初期配属は「LG1 Leading」(同意の上で転居を伴う、グループ全体への配置)という区分で、基本給300,000円(別途手当あり)です。転居を伴わない配置の「Creative」は270,000円です。給与の欄に、何年度の入社向けかの記載はありません
- 募集:職種別採用で、採用人数は今年度の予定で100〜120名です。年間休日は125日です(公式の採用ページ、2026年9月29日確認)
有価証券報告書では分からないこと
有価証券報告書で分かるのは、主に会社全体の数字です。部署ごとの忙しさ、転勤の多さ、職場の雰囲気は分かりません。有給休暇の取得率や残業の時間も載っていません。説明会やOB・OG訪問で、関心のある職種の人に直接聞いてみてください。
志望動機で「将来性」を書くときは
「医療の需要は伸び続けるから」だけでは、ほかの医療機器メーカーにも言える理由になります。会社がどこを伸ばそうとしているか(新興国、医療DX、手術支援ロボットなど)を調べ、自分がどの職種でどう関わりたいかまでつなげると、シスメックスを選ぶ理由になります。
ほかの医療機器メーカーとの比較は医療機器メーカー7社の一覧、つなぎ方はBtoBメーカーの志望動機で説明しています。シスメックスの志望動機を書いたら、お祈り診断で確かめられます。このページの有価証券報告書の要点を応募先の資料として添え、採用側の5つの視点で、根拠が足りない所を見ます。
このページの数字は、2026年9月29日時点で最新の有価証券報告書(2026年3月期)から取りました。億円への換算と、(計算)と書いた値は、有価証券報告書の数字から計算しました。初任給と募集の内容は公式の採用ページによります(2026年9月29日に確認)。投資の判断材料として書いたものではありません。