公開
アドバンテストはやばい?将来性を有価証券報告書の数字で確かめる
執筆・編集:お祈り診断(AIを使用)
記事の作成と点検にAIを使用しています。実際の採用担当者の監修記事ではありません。
アドバンテストは、半導体の性能や信頼性を確かめる試験装置(半導体テスタ)を中心に作る会社です。試験する半導体を扱う機械(テストハンドラ)や、装置と半導体をつなぐ部分(デバイスインタフェース)、保守などのサービスも手がけています。「やばい」は、悪い意味にも、すごいという意味にも使われる言葉です。
このページでは、有価証券報告書(2026年3月期)で確かめられる数字から、アドバンテストの今の姿と、会社自身が挙げている課題を見ていきます。職場の雰囲気や部署ごとの忙しさは、有価証券報告書からは分かりません。
数字で見るアドバンテスト
- 業績:2026年3月期の売上高は11,286.1億円で、前の期より44.7%増え、4年前(2022年3月期)の約2.71倍です(計算)。売上高の97.8%が海外です
- 利益:営業利益は4,991.2億円(118.8%増)で、売上高に対する割合(営業利益率)は44.2%です。親会社の所有者に帰属する当期利益は3,753.5億円(132.9%増)です。税引前利益5,167.2億円には、戦略投資で取得した株式に関して会社が持つコールオプション(決まった価格で買う権利)の評価益173.1億円が入っています
- 売上が増えた理由:会社は、AI関連の需要が旺盛でテスタの市場が広がるなか、シェアを伸ばしたとしています。主要な顧客の需要の伸びに応え、新しい顧客も取り込み、高い需要を見込んだ生産能力の増強が実ったと説明しています
- 営業利益が増えた理由:売上の増加に加え、売上原価率(売上に占める原価の割合)が、製品ミックス(製品の組み合わせ)の良化で7.2ポイント下がり、35.7%になったとしています。前の期に減損損失(資産の価値を引き下げた損失)213.9億円を計上した「その他の損益」の改善も挙げています
- 財務:親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率にあたるもの。資産のうち、返す必要のないお金でまかなっている割合)は67.9%です
5年間の業績
| 決算期 | 売上高 | 税引前利益 | 当期利益 | 親会社所有者帰属持分比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 4,169.0億円 | 1,163.4億円 | 873.0億円 | 59.6% | 5,941人 |
| 2023年3月期 | 5,601.9億円 | 1,712.7億円 | 1,304.0億円 | 61.4% | 6,544人 |
| 2024年3月期 | 4,865.1億円 | 781.7億円 | 622.9億円 | 64.2% | 6,766人 |
| 2025年3月期 | 7,797.1億円 | 2,247.7億円 | 1,611.8億円 | 59.3% | 7,001人 |
| 2026年3月期 | 11,286.1億円 | 5,167.2億円 | 3,753.5億円 | 67.9% | 7,241人 |
グループ全体(連結)の値で、国際会計基準(IFRS)です。当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。数値の出典:有価証券報告書
売上高は、2024年3月期に前の期より13.2%減り、税引前利益は54.4%減りました(いずれも計算)。減った理由は、この有価証券報告書には書かれていません。
事業ごとの売上と利益
この期から、事業の区分(セグメント)を3つから次の2つに変え、前の期の数字も組み替えています。事業ごとの利益は、株式報酬の費用を引く前の営業利益です。
- テストシステム事業(半導体テスタ、テストハンドラなど):売上高10,193.8億円(外部の顧客への売上、49.3%増)で、全体の90.3%です。利益は5,187.6億円(97.9%増)です
- サービス他(サポート・サービス、消耗品の販売など):売上高1,092.3億円(12.7%増)、利益87.6億円(前の期は161.3億円の損失)
事業ごとの利益には、全社の分のマイナス239.5億円(主に全社の管理費と基礎研究の費用)は入っていません。2つの事業の利益からこれと株式報酬の費用44.5億円を引くと、営業利益になります。
テストシステム事業のうち、SoC(システムの機能を1つにまとめた半導体)向けは7,674.2億円で、74.2%増えました(計算)。会社は、高性能SoC向けが大幅に増えたとしています。HPC(高性能な計算)やAI関連の半導体の需要の高まりを背景に、半導体の複雑化などがテスタの需要を引っぱったとしています。自動車や産業機器向けなど、成熟した半導体向けのテスタ需要は弱かったとしています。メモリ向け(1,715.0億円、8.8%増、計算)は、高性能DRAM(メモリの一種)向けを中心に堅調だったとしています。会社は、この事業の利益が増えた理由を、売上とは分けて書いていません。
サービス他は、自社製品の設置台数が増えてサポート・サービスの売上が伸び、消耗品の販売も増えたとしています。利益には、事業の一部を譲渡した利益25.0億円が入っています(どの事業かは書かれていません)。前の期の損失には、米国の子会社Essai, Inc.の、のれん(買収で払った額のうち、相手の正味の資産を上回った分)と無形資産の減損損失213.9億円が入っていました。この期の減損損失はありません。会社は、利益の増減の理由を売上とは分けて書いていません。
この期の主な相手先(売上高の10%以上)は、NVIDIA INTERNATIONAL, INC.(売上高の20.2%)とTaiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd.(TSMC、11.1%)の2社です。NVIDIAはグループ全体では2,437.4億円(21.6%、計算)です。
AI向けの需要と、会社が挙げるリスク
- 市場シェア:半導体テスタ市場での自社のシェアは、暦年(1〜12月)2024年の58%から2025年は65%に広がったとしています。別の箇所では、この期のシェアを65%とし、市場の規模は会社が独自に推定したとしています
- 見通し:会社は、半導体テストの市場は短期的な落ち込み(ダウンサイクル)を織り込みつつも、中長期的に成長を続けると見込んでいます。暦年2026年のテスタ市場は、AI関連の半導体の生産数量の増加と複雑化を背景に過去最大になると見込んでいます。ただし、中東情勢の緊迫化で世界経済の減速が懸念され、予断を許さない状況だとしています。供給網全体での供給不足の可能性にも触れています
- 受注:受注高(その期に受けた注文の額)と受注残高(まだ売上になっていない注文の額)は、短期の受注が顧客の投資で大きく変わり、中長期の業績の予測に適するとは限らないとして載せていません
「事業等のリスク」では、次のことも挙げています。
- 市況の波:半導体の設備投資の変動を直接受けやすく、需要が減速すると顧客の設備投資が先送りされ、業績が悪化する可能性があるとしています
- 顧客の集中:上位5社への売上が売上高の約50%(前の期は約48%)で、大口顧客の投資判断や取引関係の変化が、短い期間で業績に表れるおそれがあるとしています
- 輸出規制など:主要国で輸出管理などの規制が厳しくなっており、特定の国・地域への製品・技術・保守サービスの提供が制限・禁止されると、悪影響が出る可能性があるとしています
- 為替:売上高の約75%が米ドルなどの外貨建てで、円高は業績に悪影響を及ぼす可能性があるとしています
会社が挙げている課題と計画
- 中期経営計画:第3期中期経営計画(MTP3)は2024〜2026年度(2025年3月期〜2027年3月期)で、最終年度は2026年4月からの今の期です。半導体テストの効率を上げる新しい価値「Automation of Test」を顧客に届けるなど、4つの戦略を掲げています
- 目標:目標は3か年の平均で、2025年10月に、AI/HPC半導体のテスト需要が想定以上に強い見通しになったことなどから上方修正しました。修正後は、売上高8,350〜9,300億円、営業利益率33〜36%、当期利益2,070〜2,480億円です。その時点の実績と業績予想をもとにした値で、1米ドル=140円、1ユーロ=155円が前提です。2024年度(2025年3月期)は売上高7,797.1億円、営業利益率29.3%、当期利益1,611.8億円でした。2025年度(2026年3月期)は11,286.1億円、44.2%、3,753.5億円です
- 生産能力と資金:2026年3月末の時点で借入金はありません。期末の後の2026年4月に、株式に換えられる権利がついた社債(転換社債型新株予約権付社債)を発行しました。手取りの約1,000億円は、テスタの生産能力の増強(約500億円。SoCテストシステムは今後数年で年7,500台規模に)、在庫の確保(約200億円)、次世代のテストの開発(約300億円)に充てる予定です
- 情報セキュリティ:2026年2月にサイバーセキュリティの事案(インシデント)が起き、強化の施策を実施したとしています。中身や業績への影響は書かれていません
働く人に関わる数字
平均年間給与から男性の育児休業取得率までは、子会社を含まないアドバンテストだけ(単体)の2026年3月期の値です。
- 平均年間給与:1,097.7万円(賞与や残業代などを含む)。前の期より4.6%増えています
- 平均年齢・勤続年数:45.68歳、20.16年(従業員2,033人)
- 管理職に占める女性の割合:4.5%。グループ全体では10.7%(2026年度〔2027年3月期〕の目標は11%)です
- 男性の育児休業取得率:60.0%(出生時に最大5日取れる特別有給休暇を含まない数え方)。特別有給休暇を含めると、2025年度(2026年3月期)は80%です
- 離職率:グループ全体の自己都合の離職率は、2025年度に4.5%です(確定値は2026年10月ごろ公表予定。単体の値は載っていません)
- 賞与の決め方:営業利益率を基準に世界共通の方法で決め、20%に達すると支給水準が最大になる設計だとしています(個人の評価も反映)
- 初任給:修士了306,000円、学士卒280,000円、高専卒250,000円(2025年度の実績で、これから入社する人の額とは限りません)
- 募集:新卒の採用は2025年度が39名で、2026年度は70名程度の予定と書かれています(公式の採用ページ、2026年9月30日確認)
有価証券報告書では分からないこと
有価証券報告書で分かるのは、主に会社全体の数字です。部署ごとの忙しさ、転勤の多さ、職場の雰囲気は分かりません。有給休暇の取得率や残業の時間も載っていません。会社はOB・OG訪問の仲介はせず、セミナーやイベントで社員の話を聞く機会を設けているとしています。関心のある職種の人に直接聞いてみてください。
志望動機で「将来性」を書くときは
「AIで半導体が伸びているから」だけでは、ほかの半導体製造装置メーカーにも言える理由になります。「Automation of Test」など会社が進めていることのどれに関心があり、自分の研究や経験をどう生かしたいかまでつなげると、アドバンテストを選ぶ理由になります。
ほかの半導体製造装置メーカーとの比較は半導体製造装置メーカー8社の一覧、つなぎ方はBtoBメーカーの志望動機で説明しています。アドバンテストの志望動機を書いたら、お祈り診断で確かめられます。このページの有価証券報告書の要点を応募先の資料として添え、採用側の5つの視点で、根拠が足りない所を見ます。
このページの数字は、2026年9月30日時点で最新の有価証券報告書(2026年3月期)から取りました。億円への換算と、(計算)と書いた値は、有価証券報告書の数字から計算しました。初任給と募集の内容は公式の採用ページによります(2026年9月30日に確認)。投資の判断材料として書いたものではありません。