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日本製鉄はやばい?将来性を有価証券報告書の数字で確かめる

執筆・編集:お祈り診断(AIを使用)

記事の作成と点検にAIを使用しています。実際の採用担当者の監修記事ではありません。

日本製鉄は、条鋼・鋼板・鋼管・特殊鋼などの鉄鋼製品を作る会社です。エンジニアリング、ケミカル&マテリアル、システムソリューションの事業もあります。2025年6月には、米国のUnited States Steel Corporation(USスチール)を買収し、完全子会社にしました。「やばい」は、悪い意味にも、すごいという意味にも使われる言葉です。

このページでは、有価証券報告書(2026年3月期)で確かめられる数字から、日本製鉄の今の姿と、会社自身が挙げている課題を見ていきます。職場の雰囲気や部署ごとの忙しさは、有価証券報告書からは分かりません。

数字で見る日本製鉄

  • 売上:2026年3月期の売上収益(売上高にあたるもの)は100,632.2億円で、前の期より15.7%増えました(計算)。会社は、販売実績の著しい変動は、USスチールが連結子会社となったことなどによるとしています
  • 会社独自の利益:「事業利益」は5,141.3億円で、前の期の6,832.4億円から24.8%減りました(計算)。売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費、その他費用を引き、持分法による投資利益(出資先の利益の取り込み分)とその他収益を足したものです
  • 当期利益:親会社の所有者に帰属する当期利益は171.6億円で、前の期の3,502.3億円から95.1%減りました(計算)。事業再編損2,712.3億円を引いた後の値です(中身は次の節)
  • 財務:親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率にあたるもの。資産のうち、返す必要のないお金でまかなっている割合)は37.7%で、前の期の49.2%から下がりました。有利子負債(借入金や社債など)は2026年3月末の時点で51,742億円(前期末は25,074億円)です。会社は、USスチールの買収(会社の米国子会社との合併)に伴う株式取得対価の「パーマネントファイナンス」(つなぎの借入れを返すための資金調達)などによるとしています

5年間の業績

決算期売上収益事業利益当期利益親会社所有者帰属持分比率従業員数
2022年3月期68,088.9億円9,381.3億円6,373.2億円39.6%106,528人
2023年3月期79,755.9億円9,164.6億円6,940.2億円43.7%106,068人
2024年3月期88,681.0億円8,696.6億円5,493.7億円44.6%113,639人
2025年3月期86,955.3億円6,832.4億円3,502.3億円49.2%113,845人
2026年3月期100,632.2億円5,141.3億円171.6億円37.7%138,453人

グループ全体(連結)の値で、国際会計基準(IFRS)です。事業利益は会社独自の利益です(定義は上のとおり)。主要な経営指標の表には、税引前利益・経常利益・営業利益の行がありません。当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。数値の出典:有価証券報告書

売上収益は4年前(2022年3月期)の約1.48倍です(計算)。一方、事業利益は4年続けて減り、当期利益は5年間で最も小さい値です。従業員数が前の期から24,608人増えた主な理由は、USスチールとインフォコムが連結子会社となったことだとしています。

当期利益が減った中身:事業利益5,141.3億円から事業再編損2,712.3億円(前の期は1,352.8億円)を引いた営業利益は2,429.0億円です。金融収益311.3億円を足し、金融費用1,012.2億円(前の期は444.2億円)を引いた税引前利益は1,728.1億円で、前の期の5,243.8億円から67.0%減りました(計算)。法人所得税費用1,280.6億円を引いた当期利益は447.5億円です。うち276.0億円は非支配持分(子会社の、ほかの株主の取り分)で、残る171.6億円が親会社の所有者の分です(四捨五入のため0.1億円ずれます)。金融費用の内訳では、支払利息が382.0億円から896.0億円に増えています。何の借入れの利息か、増えた理由は書かれていません。

事業再編損は、事業の再編・撤退に関わる損益です。この期の中身は、米国の合弁事業AM/NS Calvert LLCの持分を持つ持株会社の株式譲渡に伴う損失と、ブラジルのUSIMINASの持分譲渡に伴う損失などです。法人所得税費用は税引前利益の74.1%にあたります(法定実効税率は30.6%)。差の要因で最も大きいのは「AM/NS Calvert持分譲渡影響」の49.9ポイントです。

事業ごとの状況

売上収益は外部の顧客への売上で、事業ごとの利益は事業利益です。

事業売上収益前の期事業利益前の期
製鉄91,732.3億円78,197.5億円4,399.6億円6,210.1億円
エンジニアリング3,575.2億円3,713.1億円231.1億円146.3億円
ケミカル&マテリアル2,398.4億円2,508.7億円219.5億円189.4億円
システムソリューション2,926.4億円2,535.9億円433.2億円388.9億円
調整額――−142.1億円−102.2億円
合計100,632.2億円86,955.3億円5,141.3億円6,832.4億円

−はマイナスです。調整額は、区分の間の取引の消去などです。四捨五入のため、合計と0.1億円ずれる列があります。売上収益の91.2%は製鉄です(計算)。

  • 製鉄(鉄鋼製品):会社は、事業利益が前の期から1,810億円減った要因を8つに分けています。コスト改善が+1,300億円、マージン(売値と原料などの価格の差。為替影響含む)が△1,150億円、原料事業が△710億円で、本体海外事業・鉄グループ会社・生産・出荷数量・在庫評価差などもマイナスでした
  • エンジニアリング(プラント・建築物など):会社は、区分の間の取引を含む売上収益(3,944億円。前の期は4,004億円)を、前の年度とほぼ同じ水準としています。廃棄物発電プラント事業の大型案件の工事の進捗や、環境O&M(保守・運営)事業と電力ビジネス事業の取引規模の増加などを挙げています。表の外部の顧客への売上は3.7%減です(計算)。事業利益は、堅調な工事の進捗と電力ビジネス事業での収益改善などで、増益としています
  • ケミカル&マテリアル(石炭化学製品など):会社は、米国の関税措置や原料価格の高騰の影響を受ける厳しい環境で、コスト削減や販売価格の改善とAI関連需要の取り込みにより、事業全体は概ね堅調に推移したとしています。売上と利益の理由は分けて書いていません。事業別(連結調整前)では、コールケミカルはニードルコークスの需要低迷やピッチコークスの在庫調整が続き、520億円(前の期は610億円)でした。化学品はベンゼンとスチレンモノマーの需要停滞や中国の生産設備の新増設で市況が低迷し、910億円(1,080億円)でした。機能材料はAIサーバー・データセンター向けの需要拡大で、1,150億円(1,000億円)に増えました
  • システムソリューション(ITサービスなど):子会社の日鉄ソリューションズが担い、この期にインフォコムなどをグループ会社にしました。事業利益が増えた理由は書かれていません

子会社の日鉄エンジニアリングは、2026年2月5日にカナデビアと経営統合の検討を始める基本覚書を結び、カナデビアを存続会社とする吸収合併を基本に検討しています。有価証券報告書の時点(2026年6月)では、最終契約は2026年9月、効力発生は2027年4月の予定で、統合比率や役員構成は決まっていません。統合後の会社は、比率によって日本製鉄の上場関連会社か上場子会社になる可能性があるとしています。また、完全子会社の山陽特殊製鋼を2027年4月1日に吸収合併する予定です。

USスチールの買収について会社が書いていること

  • 取得:2025年6月18日に、会社が設立した完全子会社とUSスチールを合併させる方法(逆三角合併)で、議決権の100%を取得しました。取得対価は20,625.1億円(うち現金20,580.2億円)で、のれん(買収で、相手の正味の資産を上回って払った分)は1,403.5億円です
  • 資金:買収のつなぎの借入れ(ブリッジローン)は、返済資金の調達を完了したとしています。中身は、返済の順位が後になる借入れ5,000億円、株式に換えられる社債6,000億円、国際協力銀行などの協調融資約9,000億円です
  • 米国政府との約束:2025年6月13日に、日本製鉄と米国子会社のNippon Steel North America、USスチールの3社は、米国政府と国家安全保障協定(NSA)を結びました。USスチールは米国政府に黄金株(特別な権利が付いた株式)1株を発行しました。会社の約束には、2028年までの約110億米ドルの投資、本社をピッツバーグに維持すること、取締役の過半数とCEOを含む経営陣の中枢を米国籍とすることなどがあります。米国政府は独立取締役1名の選任権を持ちます。約束した設備投資の削減、生産・雇用の米国外移転、既存製造拠点の閉鎖・休止などには、大統領またはその指名する者の同意が必要です
  • 取得後の業績:連結に取り込まれた取得日以降のUSスチールの売上収益は19,330.7億円、当期利益は212.5億円です。USスチール自身の決算(米国基準)では、取得日以降の当期純利益は72.1億円の損失です。基準が違うため、同じ期間でも一致しません

会社が挙げている課題と計画

  • 経営環境:会社は、インドなど新興国の経済成長に伴う需要増加や、米国の製造業国産化による高級鋼需要の増加を期待しています。一方、中国で高水準の生産と積極的な輸出の姿勢が続き、世界的な鉄鋼の供給過剰の解消にはなお時間を要し、厳しい経営環境が続くとしています。国内は人口減少などで需要の減少傾向が続く見通しで、中東情勢の影響は網羅的かつ合理的に把握できないとしています
  • 2030中長期経営計画:2025年12月に定めた、2026年度(2027年3月期。2026年4月からの今の期)からの計画です。2030年度(2031年3月期)の目標は、連結実力利益(事業利益から在庫評価差〔在庫の評価による損益〕などを除いたもの)1兆円/年以上、ROE(自己資本に対する当期利益の割合)10%程度などです。5年間で総額6兆円規模の設備投資・事業投資(USスチールへの約110億米ドルの投資〔2028年末まで〕を含む)を行い、米国・欧州、インド、タイを重点地域とするとしています。実際の業績は大きく異なる可能性があるとしています。前の計画の目標に対し、2025年度(2026年3月期)の実績は売上収益事業利益率5.1%(計画10%程度)、ROE 0.3%(10%程度)でした
  • 国内の設備:東日本製鉄所鹿島地区の連続焼鈍1基を2027年度末目途に休止するとしています。九州製鉄所八幡地区(投資予定額6,302億円)など3か所で電炉を新設・増設・再稼働する計画で、完了は2028年度〜2029年度の下半期の予定です
  • 主なリスク:中国の過剰生産・輸出拡大を背景とした各国の通商措置や米国政権の関税政策による鋼材価格の下落、原燃料価格の高騰を販売価格に転嫁できない場合、為替相場の変動を挙げています。買収した会社への技術・ノウハウの移転や統合が計画どおりに進まず投資の効果が出ないことや、のれん(2026年3月末の残高は2,597億円)の減損も挙げています。有利子負債51,742億円に対する金利などの金融市場の変動も挙げています
  • 訴訟:第二次世界大戦中に日本製鐵で働いていたと主張する韓国人元徴用工とその遺族が起こした、3件の損害賠償請求訴訟があります。韓国大法院は2018年10月・2023年12月・2025年12月に会社の上告を棄却し、原告15名への合計12億ウォン(約1.3億円)と遅延利息の支払いを命じました。会社の韓国内の資産(POSCOとの合弁会社の株式の一部)が差押えを受け、現金化の手続きが係属しています。会社は、日韓両国政府間の外交交渉の状況なども踏まえて対応するとしています

働く人に関わる数字

平均年間給与から教育訓練時間までは、子会社を含まない日本製鉄だけ(単体)の値です(2026年3月期・2025年度)。

  • 平均年間給与:908.6万円(賞与と、残業代などの基準外賃金を含む)。前の期より0.4%増えています
  • 平均年齢・勤続年数:41.3歳、19.5年(従業員32,102人。前の期より3,450人増えた主な理由は、日鉄鋼管と日鉄ステンレスの吸収合併としています)
  • 管理職に占める女性の割合:1.8%。女性管理職数は2025年度に93名で、2030年までに2020年(36名)の4〜7倍にする目標です
  • 男性の育児休業取得率:88%(育児目的の休暇を含まない数え方。含めると100%)
  • 有給休暇取得率:81.5%(目標は75%以上)
  • 教育訓練時間:1人あたり年30時間
  • 初任給:「グローバルグループスタッフ採用(事務系・技術系・総合職)」の募集要項の額で、高専卒255,000円、学部卒280,000円、修士了305,000円です。2025年度の初任給で、これから入社する人の額とは限りません
  • 募集:同じ募集要項は、2027年に高専・大学・大学院を卒業予定の人か、卒業後3年以内の未就業者が対象で、事務系と技術系に分かれます。採用予定人数は載っていません(2026年10月3日確認)

公式の募集要項

有価証券報告書では分からないこと

有価証券報告書で分かるのは、主に会社全体の数字です。部署ごとの忙しさ、転勤の多さ、職場の雰囲気は分かりません。残業の時間や離職率、労働災害の件数も載っていません。説明会やOB・OG訪問で、関心のある事業の人に直接聞いてみてください。

志望動機で「将来性」を書くときは

「鉄は社会に欠かせない素材だから」だけでは、ほかの鉄鋼メーカーにも言える理由になります。国内の収益基盤の強化と、米国・インド・タイなどでの成長のどちらに、どの職種でどう関わりたいかまでつなげると、日本製鉄を選ぶ理由になります。

同じ鉄鋼メーカーとの比較はJFEスチールの将来性、つなぎ方はBtoBメーカーの志望動機で説明しています。日本製鉄の志望動機を書いたら、お祈り診断で確かめられます。このページの有価証券報告書の要点を応募先の資料として添え、採用側の5つの視点で、根拠が足りない所を見ます。

このページの数字は、2026年10月3日時点で最新の有価証券報告書(2026年3月期)から取りました。億円への換算と、(計算)と書いた値は、有価証券報告書の数字から計算しました。初任給と募集の内容は公式の採用ページによります(2026年10月3日に確認)。投資の判断材料として書いたものではありません。

お祈り診断

書き方を学んだら、自分のESも確かめよう。

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