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IHIはやばい?将来性を有価証券報告書の数字で確かめる
執筆・編集:お祈り診断(AIを使用)
記事の作成と点検にAIを使用しています。実際の採用担当者の監修記事ではありません。
IHIは、航空エンジンやロケット、防衛の機器、車両過給機、原動機やボイラ、原子力の機器、橋や水門などを作る会社です。「やばい」は、悪い意味にも、すごいという意味にも使われる言葉です。
このページでは、有価証券報告書(2026年3月期)の数字から、IHIの5年間の業績と、会社が挙げている課題を見ていきます。職場の雰囲気や部署ごとの忙しさは、有価証券報告書からは分かりません。
数字で見るIHI
- 売上:2026年3月期の売上収益(売上高にあたるもの)は16,434.0億円で、前の期より1.0%増えました
- 営業利益:1,655.3億円で15.3%増え、会社は売上収益とともに過去最高としています。民間向け航空エンジンの整備費用の増加、研究開発費など販管費(販売や管理の費用)の増加、資源・エネルギー・環境事業の一部の海外事業の採算悪化などの影響はあったとしています。増えた理由には、原子力の採算性向上のほか、車両過給機の構造改革費用の前の期の反動や、運搬機械事業と投資不動産の譲渡益の計上を挙げています
- 営業利益の中身:営業利益に入る「その他の収益」のうち、投資不動産売却益は224.1億円(前の期104.1億円)、運搬機械事業などの譲渡による事業再編関連収益は177.5億円(同3.8億円)です
- 受注:受注高(その期に受けた注文の額)は19,547.4億円(11.6%増)、2026年3月末の受注残高(注文を受けて、まだ売上になっていない分)は17,683.4億円(18.9%増)です
- 財務:親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率にあたるもの。資産のうち、返す必要のないお金でまかなっている割合)は26.86%で、前の期の21.50%から上がりました
5年間の業績
| 決算期 | 売上収益 | 税引前利益 | 当期利益 | 親会社所有者帰属持分比率 | 従業員数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2022年3月期 | 11,729.0億円 | 876.4億円 | 660.7億円 | 20.33% | 28,801人 |
| 2023年3月期 | 13,529.4億円 | 648.7億円 | 445.5億円 | 22.21% | 28,486人 |
| 2024年3月期 | 13,225.9億円 | −722.8億円 | −682.1億円 | 17.92% | 28,237人 |
| 2025年3月期 | 16,268.3億円 | 1,384.9億円 | 1,127.4億円 | 21.50% | 27,990人 |
| 2026年3月期 | 16,434.0億円 | 1,854.9億円 | 1,609.9億円 | 26.86% | 26,224人 |
グループ全体(連結)の値で、国際会計基準(IFRS)です。当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。−は損失(赤字)です。数値の出典:有価証券報告書
2026年3月期の売上収益は4年前(2022年3月期)の約1.40倍、当期利益は約2.44倍です(計算)。2023年3月期に利益が減った理由は、今回の有価証券報告書には書かれていません。
2026年3月期には、IHI運搬機械の運搬機械事業を譲渡し、IHI建材工業・新潟トランシス・明星電気などの株式を譲渡しました。株式を譲渡した会社はグループから外れました。グループ全体の従業員数は、この期に1,766人減りました(計算)。減った理由は、有価証券報告書には書かれていません。
2024年3月期の赤字について会社が書いていること
2024年3月期は営業損益の段階から赤字で、営業損失は701.4億円でした。今回の有価証券報告書は、この期の損失の内訳を書いていません。
前の中期経営計画の指標の表で、この期の営業利益率(売上収益に対する営業利益の割合)は−5.3%です。「出荷済みのPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラム」と、海外の連結子会社の訴訟の和解合意による損失の影響を除くと、7.0%だとしています。訴訟の中身は書かれていません。
PW1100G-JMは民間向けの航空エンジンで、IHIは約15%のシェアで参加しています。
- きっかけ:パートナーの米国Pratt&Whitney社(P&W社)が過去に製造した粉末冶金部品(金属の粉を固めて鍛えた部品)の製造工程で、まれに品質上の問題があると分かりました。2023年9月に、P&W社の技術検討の結果、疑いのある部品の繰り返しの検査や、部品の寿命の短縮などの方針が出されました。対象は約3,000台で整備の回数が増え、IHIにも補償費用や追加の整備費用などが見込まれるとしています
- 今の状況:製造工程には有効な対策がとられ、今わかっている部品以外で同じ問題は起きていないとしています。2024〜2026年には平均350機が地上に止まると見込まれ、エンジンを外してから取り付けるまでは250〜300日かかる見込みです。会社は、パートナーとともに整備の能力を増やし、地上に止まる機体を減らす対応を進めているとしています
- 残っている負担:この追加検査プログラムの返金負債(顧客に支払うと見込む額を負債にしたもの)は、2026年3月末で535.5億円(前の期末は954.9億円)です。会社はこの見積りを、翌期に重要な修正をもたらすリスクのある見積りに挙げ、監査報告書も仮定が変わった場合の影響は大きいとしています。会社は、この支出が発生することや、稼ぐ力がキャッシュ・フローに結び付いていないことから、営業キャッシュ・フロー(本業で得たお金の出入り)の強化は「喫緊の課題」だとしています
事業ごとの状況
事業は4つの区分(セグメント)で、この期から都市開発を社会基盤から「その他」に移し、前の期の数字も組み替えています。売上収益は外部の顧客への売上です。
| 事業 | 売上収益 | 前期比(計算) | 営業利益 | 前の期 |
|---|---|---|---|---|
| 資源・エネルギー・環境(原動機、ボイラ、原子力機器など) | 3,734.8億円 | 8.5%減 | 59.6億円 | 161.4億円 |
| 社会基盤(橋梁・水門、シールドシステムなど) | 1,296.4億円 | 7.2%減 | 37.3億円 | −42.4億円 |
| 産業システム・汎用機械(車両過給機、パーキング、回転機械、熱・表面処理など) | 4,389.0億円 | 7.7%減 | 307.8億円 | 108.0億円 |
| 航空・宇宙・防衛(航空エンジン、ロケット、防衛機器など) | 6,481.4億円 | 17.3%増 | 1,124.3億円 | 1,227.9億円 |
| その他(検査・計測、都市開発など) | 532.5億円 | 5.6%増 | 358.8億円 | 168.3億円 |
| 調整額(全社費用など) | ― | ― | −232.4億円 | −188.0億円 |
| 合計 | 16,434.0億円 | 1.0%増 | 1,655.3億円 | 1,435.2億円 |
−は損失です。「その他」の利益が増えた理由は書かれていません。投資不動産売却益がどの区分に入るかも書かれていません。調整額は、主にどの事業にも配分しない一般管理費です。億円は四捨五入のため、合計と0.1億円ずれる列があります。
営業利益には減損損失(資産の価値を引き下げた損失)が入っています。資源・エネルギー・環境29.7億円(前の期2.8億円)、社会基盤37.2億円(同37.2億円)、産業システム・汎用機械37.9億円(同6.2億円)です。主なものは、譲渡した新潟トランシス(27.9億円)と、収益性が下がったドイツの子会社(27.6億円)とイタリアの子会社(27.3億円)の分です。会社は、区分の利益の説明で減損に触れていません。
- 資源・エネルギー・環境:売上収益は、原子力の拡大や原動機の増収はあったものの、前の期の大型工事の反動などで減ったとしています。営業利益は、原子力と原動機の増益はあったものの、事業構造改革費用の計上や海外事業の採算悪化で減ったとしています
- 社会基盤:売上収益は、コンクリート建材と交通システムの譲渡などで減ったとしています。営業利益は、交通システムの譲渡による減益はあったものの、前の期に計上したコンクリート建材事業の譲渡に関連する構造改革費用の反動と、橋梁・水門の採算性向上で増えたとしています
- 産業システム・汎用機械:売上収益は、車両過給機の販売台数の増加などはあったものの、運搬機械などの譲渡や回転機械の海外需要の減少で減ったとしています。営業利益は、熱・表面処理の事業構造改革費用などはあったものの、前の期の車両過給機の事業構造改革費用の反動、車両過給機の販価改善、運搬機械の譲渡益などで増えたとしています
- 航空・宇宙・防衛:売上収益は、民間向け航空エンジンのスペアパーツ(交換用の部品)の販売増や防衛事業の拡大で増えたとしています。営業利益は、民間向け航空エンジンの整備費用の増加や、研究開発費など販管費の増加などで減ったとしています。増益の要因として、防衛の拡大と採算改善、スペアパーツの販売増加、前の期に貸倒引当金(回収できない債権への備え)を計上した反動も挙げています。この区分の売上収益と営業利益には、追加検査プログラムの為替の影響(−50億円、前の期は+9億円)が入っていて、会社はこれを減益の理由に挙げていません。管理部門の費用の一部を販管費に移す会計の変更(今期から適用し、前の期の数字は変えていない)で、営業利益は44.0億円少なくなっています
有価証券報告書の提出時点で会社は、物流・産業システム事業の子会社の株式の80%を2027年4月に、残りの20%も5年間をめどに持ち続けた後に、豊田自動織機に譲渡する予定としています。譲渡損益は2028年3月期に計上する見込みで、金額は精査中です。東京都江東区の不動産の譲渡益(概算)は、2026年4月に譲渡した分が約393億円、2026年12月に所有権を移す予定の分が約146億円です。いずれも2027年3月期に、営業利益に入る「その他の収益」として計上する予定です。
会社が挙げている課題と「中長期の方向性」
- 中長期の方向性:2026年5月に公表した2040年に向けた方針では、民間エンジン・防衛・原子力を「成長事業」、アンモニア・宇宙を「育成事業」としています。資源・エネルギー・環境、社会基盤、産業システム・汎用機械は「安定収益事業」とし、収益性・効率性の低い事業は、事業ポートフォリオ改革(事業の組み合わせの見直し)を続けるとしています
- 2026〜2028年度:2027年3月期〜2029年3月期は、先行投資と財務基盤の強化に力を入れる「フェーズ1」です。図では、営業利益率の目安を10〜13%、営業キャッシュ・フローの累計を3,500億円、投資額の累計を6,500億円(研究開発費を含み、資産売却は含まない)としています。将来についての記載は、2026年3月末時点の判断としています
- 設備投資:2025年度(2026年3月期)の976億円に対し、2026年度(2027年3月期)は1,300億円を計画し、主に自己資金でまかなう予定としています。2026年3月末の有利子負債(利子を払う借入金や社債など。リース負債を含む)は4,898億円です
- 対処すべき課題:成長事業の生産能力を増やす投資、営業キャッシュ・フローの強化と資産売却などによる自己資本の増加、リスクマネジメントとガバナンス(経営を監督する仕組み)の強化の3つです
- 子会社の不適切な行為:2026年6月2日の公表では、連結子会社のIHIエアロスペースが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から5か月間の競争参加資格停止処分を受けました。JAXAから受けた機材装置の保全業務などの一部で、作業が終わっていないのに完了したと報告し、その報告にもとづいて費用を請求していたことが分かったとしています。2024年度(2025年3月期)にも子会社で不適切事案などが相次いで発覚したとしていますが、中身は書かれていません。会社は、改善の取り組みは「道半ば」だとしています
- リスク:大型プロジェクトの費用が見積りを上回ることや、輸出規制の対象になった場合の事業の停止などを挙げています
働く人に関わる数字
平均年間給与から管理職に占める女性の割合までは、子会社を含まないIHIだけ(単体)の値です(2026年3月期)。
- 平均年間給与:1,000.5万円(賞与と、残業代などの基準外賃金を含む)。前の期より23.0%増えています。増えた理由は書かれていません
- 平均年齢・勤続年数:42.4歳、15.2年(従業員8,199人)
- 男性の育児休業等の取得率:333.2%(育児目的の休暇を含む)。その年度に取得した男性の人数÷その年度に配偶者が出産した男性の人数で、分子と分母が同じ人の集まりではないため、100%を超えることがあります
- 管理職に占める女性の割合:6.1%。グループとしては、2030年までに「女性基幹職比率」を15%にする目標を掲げています。グループの実績は有価証券報告書に載っていません
- 残業と休み:採用ページでは、部門や職種、時期によって繁閑があるとしたうえで、残業は全社平均で月22.3時間(2024年度実績)としています。年間休日は125日(2025年度)です
- 初任給:技術系・事務系とも修士了309,500円、大卒285,000円、高専卒248,500円です(いずれも2025年4月の実績で、これから入社する人の額とは限りません)
- 募集:採用予定人数は、募集要項などの採用ページに載っていません
有価証券報告書では分からないこと
有価証券報告書で分かるのは、主に会社全体の数字です。部署ごとの忙しさ、転勤の多さ、職場の雰囲気は分かりません。有給休暇の取得率や離職率も載っていません。説明会などで、関心のある事業の人に直接聞いてみてください。
志望動機で「将来性」を書くときは
「航空や防衛は伸びそうだから」だけでは、ほかの重工業の会社にも言える理由になります。どの事業で、どんな仕事に関わりたいかまでつなげると、IHIを選ぶ理由になります。
事業の中身はIHIは何の会社?、ほかの重工業の会社は川崎重工の将来性と三菱重工の将来性、つなぎ方はBtoBメーカーの志望動機で説明しています。IHIの志望動機を書いたら、お祈り診断で確かめられます。このページの有価証券報告書の要点を応募先の資料として添え、採用側の5つの視点で、根拠が足りない所を見ます。
このページの数字は、2026年10月3日時点で最新の有価証券報告書(2026年3月期)から取りました。億円への換算と、(計算)と書いた値は、有価証券報告書の数字から計算しました。初任給・休日・残業時間などは公式の採用ページによります(2026年10月3日に確認)。投資の判断材料として書いたものではありません。